ドワーフの地下帝国三度


「この英雄達が、我がコーカサス王国の苦難を救ったことを忘れてはならない!」

城のテラスから、そう演説を締めくくった騎士団長に答えるように、広場に集まった国民達は歓声を上げた。
ドワーフの地下帝国の力を利用しようとした悪は滅び、ディープドワーフたちは洞窟へと戻っていった。
洞窟は静寂を取り戻したのだ。
別の冒険者達の手によって・・・。

洞窟から撤退した一行は、三度洞窟へと挑んだ。
そして彼らはさらに大きな姿へ変貌を遂げた砦を目にした。
いったいこの洞窟はどうなっているのか・・・。

砦の中には前回の数を上回る強力なモンスターに行く手を阻まれ、一進一退の攻防の末またもや退却を決意する羽目になった。
コーカサスの街へ戻った一行は、さらに洞窟を攻略するためにひとまずの休憩と入念な準備をすることにした。

翌日の突入に備え、宿で食事をする彼らの元へ一つの噂が飛び込む。
なんと別の冒険者達があの洞窟の騒動を収め、凱旋したというのだ。
その情報に驚き戸惑いながらも、真偽を確かめるすべのない一行はとりあえず眠りにつく。
そして翌日。
噂は真実であった。
城の門が解放され、国王陛下の観覧の元、城の中庭で行われる祝賀会。
この騒動の影響で南からの交易路がふさがれ、不安に感じていた民衆が集まり、陽気に騒いでいる。
突然の出来事に呆然とする一行の元に、ハイローニアス神の使いを名乗っていた少女が現れる。
「この役立たずの屑どもめ」
少女は一行に罵声を浴びせ、ナイスガイを取り上げると姿を消した。

失意にうちひしがれた一行は、祝賀に参加する気にもなれず宿へと重い足取りを向ける。

きっと明日は良いことがあるさ・・・。
根拠のない希望を胸に抱きながら。


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