ドワーフ地下帝国を救うのは俺たちだ |
大陸南部最大の国家、コーカサス王国。 その首都、コーカサス。 コーカサスは今、危機に瀕していた。 街の外れにキャンプを張り始めたディープドワーフたち。 彼らの伝説にある洞窟奥の地下帝国。 それが今回の事件の発端であるようであった。 この事件を重く見たコーカサス王国騎士団は、洞窟入り口に砦を作り、モンスター達が外へ出てくることを防ぐと共に、洞窟内部へ進入して元凶を絶つために、冒険者を雇った。 この依頼を受けた一行は、洞窟へ向かった。 道中エティンに襲われていた移動式オリダマラ神殿の神官ロビンを救ったりしつつ洞窟前の砦に着くと、そこにあるのは焼け焦げた砦の跡と兵士達の死体だった。 警戒しながら洞窟の内部へ向かう一行。 洞窟の中にあったのは、巨大な空間にそびえ立つ、禍々しい城の姿だった。 城の中の塔から発射されるバリスタを避けたり破壊したりしながら、宙を飛び、一行は城の屋根の上に降り立つ。 屋根を破壊し、城の内部に進入した一行を待ち構えていたのは、黒い鎧に身を包んだブラックガードとヒル・ジャイアントだった。 倒した。 くまなく城の中を捜索する一行。 城の中に設けられた、訓練場と思われる広間に突入した一行を待ち受けるゴブリンの軍団。 その数100体! 倒した。 モンスター達を殲滅した一行は、先ほど倒したブラックガードから一つの指輪を取り上げる。 強大な悪のオーラを発するその指輪は、装飾としてヘクストアの印が彫り込まれた金属板が付いていた。 小さな金属音を立てて、その金属板は180度回転し、ヘクストアの印の裏に彫り込まれていたハイローニアスの印を表にした。 しかし、数瞬ののち再び小さな金属音と共に90度回転し、ハイローニアス、ヘクストア、両方の印を表に表すことなく、金属板は停止した。 それと共に、轟音と共に崩れ始めていく城から脱出した一行は、意気揚々とコーカサスへと凱旋する。 一行は城へ向かえ居られ、国王に謁見を許され、その労に報いられる。 その瞬間、一行を不思議な感覚が襲う。 一瞬の意識の空白の後、一行(除く一名)は見たことのない部屋の中に居る自らを発見する。 甘い香りの漂うその部屋の中央には、華麗な装飾の施された大きなテーブルがあり、その上にはテーブルにも負けないほどの豪華な食事と酒の数々が並べられている。 その上座には、笑みを浮かべた中世的な人物が座っていた。 その人物が言うには、今回の事件の原因は、ハイローニアスとヘクストアの代理戦争にあるという。 ハイローニアスのアーティファクト「ソード・オブ・ナイスガイ」と、ヘクストアのアーティファクト「モーニングスター・オブ・バッドボーイ」。 それぞれを与えられた両者が争い、その勝者を決め、指輪を得ることとなるはずだったのだという。 しかし、この勝負は両神の予想外の結果で終焉を迎えた。 全く関係のない冒険者達、つまり一行がヘクストアの代表者を倒し、指輪を手に入れたのである。 これによって、ハイローニアス、ヘクストア共に、メンツをつぶされる結果となった。 彼らの争いには他の神々も注目していたのだ。 そして、この勝負の行方を見物していたオリダマラはこの愉快な結果を導いた物達の中に、自らの信者が居ることを見て、一行をこの場所へ招待し、見事な余興の礼をすることにしたのだという。 上座に座る人物はオリダマラの使いであるという。 そして、一行(除く一名)は盛大な歓待を受けた。 一週間に及ぶ宴の後、一行はそれぞれ贈り物を受け取り地上へと戻った。 一瞬の意識の空白の後、気がつくと一行は謁見の間にいた。 玉座から国王が一行に労いの言葉をかける。 どうやら、実質的な時間は少しもたっていなかったようだ。 王国からも報酬を受け取った彼らは、とりあえず故郷のセパスポートへと帰ることにした。 新たな冒険の前に、一時の休息を得るために。 |